今回は、ZEHでも注目されている太陽光発電についてです。
巷ではよく「太陽光発電はブームが終わった」「売電が安いから付けても意味がない」という声をよく耳にします。
しかし、果たして本当にそうでしょうか?
根拠のない噂をそのまま信じていると、知らないうちに損をしていることになりかねません。
今回は、2022年以降の太陽光発電で知っておくべきポイントを解説していきます。
それでは、まず今回の記事の要点です。
・太陽光発電を設置していると「自家消費」と「売電」という2つのメリットを受けることができる。 ・売電単価は22年では17円と従来に比べると安いが、それでも月に数千円以上の収入になります。 ・自家消費のメリットは売電より大きく、高くなっている電気代を圧縮する効果があり、太陽光発電だけでも平均で約3分の1も節約できる。 ・共働きなどで普段昼間に家にいない場合は、蓄電池・エコキュート・EV(電気自動車)を併用するとよい。 |
1. 太陽光発電の基本的な仕組み
まず太陽光発電を理解するためには、基本的なシステムの成り立ちを確認しましょう。
屋根に付いている太陽光モジュール(パネルのこと)で、日中に電気を創り出します。
発電された電気はパワーコンディショナー(通称:パワコン)で、家で使える電気に変換されて分電盤に送られます。
太陽光発電で発電した電気は、日中に使っているエアコンや冷蔵庫等の電気として使われ、家の中で使ってもまだ「発電した電気」の方が多ければ余った分を「売電」します。
これが太陽光発電システムの基本的な仕組みで、この電気の流れは全て自動で行ってくれるため、特に日々の操作は全く不要です。
1-1. 自家消費の重要性
日中に発電している電気を、家電などで使っている電気として優先的に使うことを自家消費と言います。
上図を使って解説すると、例えば太陽光発電で3kWという電力を「発電」して、家の中で4kWの電気をリアルタイムに「消費」しているとします。
そうすると発電した3kWの電気は、家の中で使っている電気を補填する形で、自家消費されます。
足りない1kW分の電気は、電力会社の電気で賄うことになりますが、ココでのポイントは「本来は4kW使っているが、電力会社から買っている電気は1kW分だけ」という点です。
これが太陽光発電における効能の1つ目です。
1-2. 売電の仕組み
次に、今度は「家の中で使っている電力量」より「発電している量」の方が多い場合です。
また上図で解説すると、例えば太陽光発電の発電量が3kWあったとします。
家の中で1kWしか使っていないとすると、発電した2kW分が余ります。
この余った電力は「余剰電力」と言い、電力会社が買い取る仕組みになっており、1ヶ月の累積の電力量をまとめて算出し、決められた単価に応じて振込額が決定します。
このため、太陽光発電を設置されている方は毎月、電力会社から振込される金額の明細が、通常の請求書と共に届きます。
上記の事例では、例えば夜や雨天時に電力会社から買った電気として、7,844円の請求がある一方、太陽光で発電した電気の分が電力会社から振込まれることになります。
もっとも、上記の事例は買取単価が高い頃の明細のため、2022年の買取単価17円にすると5,933円の振込額になります。(ただし、この頃の太陽光発電は設置費用が今より高かった)
巷で「太陽光発電の魅力がない」と言っている方は、この売電単価の下落しか理解していない可能性が高いですが、それでも月に数千円の収入になってきます。
2. 太陽光発電を設置すべき理由
つづいて、売電単価が昔に比べて下がっている今でも、太陽光発電を設置するべき理由をお伝えします。
それはズバリ「電気代が上がってきているから」です。
電気代が上昇している要因は、電気代を構成する「燃料調整費」と「再生可能エネルギー賦課金」の2つの上昇で、特に昨今は燃料調整費が異常に高騰しています。
「燃料調整費」はわかりやすく言うと、旅行で一時あった「燃油サーチャージ」みたいなものです。
今の日本は火力発電への依存度が高いため、電気を作るために化石燃料を燃やして発電を行っている割合が高く、その輸入コストが上がっていることが主な要因です。
この傾向は今後も続くと見られており、世界的に太陽光発電を主軸とする再生可能エネルギーへの移行が進んでおり、日本も再生可能エネルギーへの移行を進めないといけません。
話しが逸れ始めましたが、いずれにしても「電気代が上がっているから」太陽光発電の重要性が増しています。
2-1. 自家消費の重要性
電気代が上がっているから太陽光発電を設置する、この意味は前半で紹介した「自家消費」に集約されます。
太陽光発電を設置していると、晴れていればタダで電気を自動的に発電してくれて、電力会社から電気を買う量を減らしてくれています。
以前は売電単価が高かったため、たくさん発電してたくさん売電する、という時代でした。
今は、売電単価が下がっている一方で、買電単価(電力会社から買う電気の単価)が高騰しています。
特にオール電化契約の場合、中部電力のスマートライフプランになりますが、日中の電力単価は38.71円!
再生可能エネルギー賦課金や燃料調整費も入れると40円を軽く超えてきますが、太陽光発電を設置していれば、この日中の高い電気を極力買わずに済みます。
パナソニックの試算では太陽光発電のみでも、電力の自給率が平均34%あるとなっており、電気代を平均で約3分の1圧縮することができる訳です。
しかし、太陽光発電の弱点は「晴れている日中しか発電しないこと」です。
共働きの場合、大体は家に誰もいないため、自家消費できないという状態になることも考えられます。
そんな時に活躍するのが、蓄電池・エコキュート・EV(電気自動車)です。
3. 蓄電池・エコキュート・EVで自家消費量を高める
この3つの機器に共通しているのは、電気の使用量が非常に多いことです。
太陽光発電で発電した電気を余らせて、電力会社に安い単価で買い取られてしまうぐらいなら、自分で使った方がトクな昨今。
たくさん電気を消費する蓄電池・エコキュート・EVに、太陽光発電で発電した電気を充てると自家消費率を高めることができます。
ここでは簡単に、その効果を紹介します。
3-1. 発電した電気を自家消費するとどれくらいの効果?
一般的に設置される太陽光発電として多い5kWでの1日の発電量で、どれくらいの電気になるのか?をみてみましょう。
※前提:約5kWの太陽光発電を屋根に設置していると、晴天の場合1日で約20kWh程度の電力量は発電でき、仮に自家消費で5kWh使ったとすると残り15kWhを各機器に使ったとします
■ 蓄電池へ充電:蓄電池が満充電され、夕方~次の日の朝までの電力を賄えます
※蓄電池の容量はコストも考えると10kWh程度を推奨、蓄電池が満充電されれば残りは余剰電力になる
■ エコキュートを昼間に運転する:太陽光発電の電力だけで十分お湯が沸かせます
※約3~4kWh / 日 しか消費しないため、残りは余剰電力になる
■ EV(電気自動車)へ充電:15kWhを全て充電したとすると約100km分の走行エネルギーになる
※日産リーフの場合(車種で若干異なる)
4. まとめ
このように、太陽光発電は自家消費ができ、現在進行形で高騰している電気を買わずに生活できる言わばエネルギーを自給自足できる機器です。
発電したエネルギーの使い方はそれぞれですが、今後はエネルギー価格の高騰なども考えると太陽光発電は必須のアイテムと言えます。
ダイシンホームでは通常設置に加えて、0円で設置できるプランもご用意していますので気になった方は担当までご相談ください。