今回は少し硬めな話題ですが、みなさんにも分かりやすいようにお伝えしていきます。

住宅関連のニュースで、「ウッドショック」「物価高騰」、これらのキーワードを聞いたことがある方もいると思います。

  

ガソリン代も値上がりしてきて大変ですよね。

そもそもウッドショックって何?

なんで木材が品薄なの?

なんで物価が上がっているの?

 

このような基本的な話から、新築ではどれくらい影響があるの?といった、みなさんに実際に関わる部分まで、一緒にみていきましょう。

それでは、今回も冒頭にこちらの記事のポイントをご紹介します。

    

  
・ウッドショックはアメリカで住宅の需要が急増し、木材の世界的な相場価格が上がり、高値で買うアメリカなどに木材が流れ、日本の輸入量が減ったことが原因。
  
・中国やアメリカなどが高値で木材を購入していくので、安価な木材が手に入らない。
  
・世界は現在、モノの価格が上がっていく「インフレ」の状態に対し、日本は長らくモノの値段が上がらない「デフレ」の状態が続いて、日本が置いていかれている。
  
・住宅に占める構造躯体や合板の割合は約10~20%、この部分が2021年以前の倍程度の相場になっており、住宅業界が全体的に厳しい状況。
    

  

1.ウッドショックは「木材価格上昇」&「供給量不足」

最近では、一般のニュースなどでも話題に上がるようになってきた「ウッドショック」です。

これまでに定期的に業界内で、木材や合板といった家を建てるための材料の供給量が滞ったりすることはありましたが、各流通業者様などの努力もあり、なんとか業界全体が凌いでこられていました。

しかし、今回のウッドショックは世界的な影響が非常に強く、新築着工に影響を多大に及ぼす結果となっています。

  

  

まず原因としては、2021年にアメリカで住宅需要が急増したことで、輸入木材で作る柱材や梁(はり)材などが短期間で価格が大幅に上がったことから始まっています。

それに加え、中国などの新興国などが高値で買い付けを行い、さらに価格が上昇しており消費者価格への転嫁が難しい日本は「買い付け力」の不足もあり、木材の輸入量も減ってしまいました。

それであれば、国内の林業でまかなえば良いのでは?と思う方も多いでしょう。

  

  

しかし、国内の林業における労働力の高齢化と人手不足など構造的な問題を多く抱え、コストの問題もあるため簡単な問題ではないのが現状です。

上図の林野庁のデータでもわかるとおり、日本に流通している木材は輸入に頼っている割合が高い現状も、影響を大きくしている一因でもあります。

このように国内の問題ではなく、世界的な需要急増・世界的なインフラが、こういった身近な住宅にも影響を及ぼしてきています

  

2.世界はインフレの一方、日本はスタグフレーション

世界的には現在、アメリカを中心にインフレになっています。

インフレとは、物価が上がっていることを指します。

  

  

簡単にいえば、今まで100円で購入できていたものが、105円になったり110円になったりすることです。

スーパーなどに並んでいる生活用品や食品だけでなく、世界的に原油価格の高騰が続いています。

物資を世界中に運ぶため、原油・ガソリン代が上がれば必然的に運送費用も上がり、特に日本は多くの物資を輸入に頼っているため、世界各国がインフレになると影響が大きいです。

  

新築に関わる住宅設備部材にも大きな影響があり、木材だけでなく半導体に関しても昨今のデジタル化の流れを受けて、需要が急増しています。

  

ただ、インフレは悪い側面だけでなく、給料も右肩上がりになっていけば、国としても豊かになっていきますが、日本は実はそうなっていません。

人口も減少傾向の為、税収も減少しつつある中で物価は上がり、給料水準が上がらないという厳しい状況に置かれます。

この状態を「スタグフレーション」と言い、日本はみなさんが想像している以上に深刻な状況に陥りつつあります。

  

3.新築における影響は小さくない

さて、みなさんが一番気になっている新築に関する影響はどうか?をみていきましょう。

昨年の2021年から、同業他社様(住宅会社様・工務店様)でも、プレカット(構造躯体)を確保できないので、着工を伸ばしたりする案件も出てきているという話を聞きます。

そして、着工の遅れだけでなく木材の価格が上がっている、ということから住宅の価格も全体的に上がっています。

住宅の価格に占める構造躯体の割合は約10%〜20%と言われています。

柱や梁といった、住宅の骨組み部分が全て木造になっていれば、木材の価格が単純に倍になってしまうことで、住宅の価格は約10%〜20%あがります。

 

  

現在、数年前に比べて木材の価格が倍近くになっているため、日本中の住宅市場価格としても約1割~2割程度上昇しています。

ダイシンホームでは、パナソニックのテクノストラクチャー工法を標準採用していますが、100%木材の工法に比べて上昇率は抑えられているものの、物価高騰に伴い鉄の価格も上がっており建築費用は上がっています。

この影響は一時的なモノでもなさそうで、世界的なインフレと日本の乖離、そして新興国やアメリカでの木材需要は右肩上がりのため、下がることは数年単位はなさそうです。

  

3-1.影響を受けるのは構造躯体だけではない

木材の価格高騰では、影響を受けるのは構造躯体だけではありません。

実際に木材が使われている部位は様々あり、フローリング材やカウンター、造作部材でも木材が原料として使われていますので、影響がないわけではありません。

  

実際に床材の下に使ったり屋根に使ったりしている「合板」と呼ばれる木の板も、このように値上がり+供給量不足が続いています。

さらに各建材メーカーも値上げをしており、標準採用しているパナソニックを含むほぼ全てのメーカーで値上げが実施されており、設備機器も合わせて建築コストが膨らんできています。

  

3-2.ダイシンホームでは「着工遅れナシ」&「価格転嫁 最小限」へ

最後に、ダイシンホームではウッドショックの影響によって着工が遅れたりしたことはなく、お約束通りの着工・お引き渡しができています。

これは、協力業者様や協力いただいている卸問屋様の努力もあり、皆様に非常に助けて頂いている結果です。

また価格転嫁に関しても、ダイシンホームは土地の仕入れも自社で行っている点から、建物に対する価格上昇を極力抑えるようにしております。

ただ大変申し上げにくいですが、全て自社努力で吸収できているわけではありませんが、お客様への建物価格・土地価格への転嫁を最小限に抑えておりますので、ぜひ他社様とも価格・仕様などを比べてみてください。

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