今回は、IHクッキングヒーター(以下IH)の選び方についてご紹介していきます。

昨今の新築では、多くの方がガスではなくIHを選ばれていますが、今までガスコンロしか使ったことがない方だと、IHにはどんなものがあるのか?など分かりませんよね。

そこで、ご自身に合ったIHの選び方や、見るべきポイントを紹介していきますので、IHの種類をどうしようか迷っている方は、ぜひご覧ください。

 

それでは、まず今回の記事のポイントです。

 

   
・ビルトインIHは、主にパナソニック・三菱・日立の3社が製造している (ダイシンホームではパナソニックを標準的に採用) 
 
・IHを選ぶポイントは、この4つ。
 ①サイズ(60cm・75cm・トリプルワイド)
 ②オールメタルの有無
 ③グリルの有無
 ④グリルがある場合)網タイプかプレートタイプか/ヒーター or IH 
 
・料理をテキパキしたい方は「トリプルワイドIH(3連)」、手軽に様々な種類の料理を楽しみたい方は「ラクッキングリル」がおすすめです。 
 

  

1.IHメーカーと各社の主な特徴

まずIHを主に製造している国内メーカーは、パナソニック・三菱・日立の3社です。

市場シェアは約半数がパナソニックになっており、ダイシンホームでもキッチン本体がパナソニックを使うことが多いため、IHも同じパナソニックにされる方が多いです。

ただ、パナソニックのキッチンでも三菱や日立のIHを現場で入れることは可能なので、各社の特徴を簡単に紹介していきます。

  

1-1. パナソニック

パナソニックは、大きく分けて2種類のIHがあります。

通常のコンロの形をしているIHと、独自のトリプルワイドIHの2つです。

 

通常の形状のコンロでパナソニックならではのポイントは3つ、「光るリング」「光火力センサー」「ラクッキングリル」です。

 

・光るリング:鍋を置く場所が、加熱中に光ることで加熱していることが分かりやすい

 

・光火力センサー:炒飯を作る時など、鍋がIHから離れやすい場合でも、IHに接地した瞬間に、火力を立ち上げて鍋の温度低下を防ぎます

 

・ラクッキングリル:グリル部がプレート状になっており、魚焼きだけでなくパエリアや鶏の香草焼きなどを手軽に調理できる。庫内もフラットで掃除がしやすい。

 

光るリングや、光火力センサーは多くのIHに採用されていますが、ラクッキングリルは中級~高級価格帯のシリーズになってきます。

 

一方で、パナソニック独自のトリプルワイドIHは、通常のコンロで俵型と呼ばれる並びではなく、IHの3つのコンロが横並びになっています。

俵型だと、どうしても奥のコンロが使いにくいので、普段使っていないという方も多いのではないでしょうか。

トリプルワイドIHの場合、横並びなので例えば、①パスタをゆでる、②ソースを作る、③スープをつくる、という工程が同時にできるため、共働きなどの家庭におすすめの商品です。

 

また、隠れた特徴はキッチンカウンターと段差がほとんどないこと。

一般的には、コンロとカウンターは段差があり、汚れがたまりやすいのですが、トリプルワイドIHの段差はDVDぐらいの厚さしかありません。

 

ただグリルがないので、魚を焼いたりするときはフライパンで焼くことになります。

その分、手前側には箸やラップなどを入れる収納スペースになっているため、グリルを使わない、という方にもオススメです。

 

1-2. 三菱・日立

三菱のIHでの特徴は、グリルが「電子レンジ」になっているタイプや、加熱の独自方法で鍋に対流を起こしやすくする「対流煮込み加熱」という機能があります。

グリルの汚れや掃除が気になって使わない方も多いことと、電子レンジをなくせるメリットの掛け合わせから、グリルの中が電子レンジになっている「レンジグリルIH」が人気です。

また、三菱の上位機種では煮込み料理向けに、温める箇所を変えることで対流を起こし、料理全体に火を通しやすくする機能が特徴です。

 

出典:日立・HP

一方、日立のIHの特徴は「ラク旨うまグリル&オーブン」と「日立IHクッキングヒーターアプリ」の2つです。

ラク旨うまグリル&オーブンは、パナソニックのラクッキングリルと同様、庫内にプレート状の調理皿を使い、網タイプに比べて料理の幅が広がります。

ただしパナソニックとの違いは、庫内の掃除のしやすさが異なります。

 

日立はヒーターが露出しているため、掃除に意外と手間がかかりますが、パナソニックの「ラクッキングリル」は庫内もフラットなので掃除がしやすいので、グリル部で調理を頻繁にしたい方はパナソニックの方がおすすめでしょう。

「日立IHクッキングヒーターアプリ」では、スマートフォンからメニューを選ぶとIHと連動し、火力調整や加熱時間を自動でセットしてくれる機能があります。

キッチンメーカーに必ずしも合わせなくてはいけないわけではないので、料理にこだわりたい方は、いろんなメーカーのIHを詳しく検索してみても良いのではないでしょうか。

 

2. IHの選び方とコツ

つづいて、IHのカタログ機能がたくさん掲載されており、どこを中心に見て決めればいいのか、分からなくなりますよね。

ここではメーカーを問わず、IHの選び方や見るべきポイントを紹介していきます。

ショールームに行く前にご覧いただくと、選びやすくなるでしょう。

 

2-1.IHを選ぶポイントは4つ

今回はパナソニックのIHをベースに解説していきます。

主に選ぶときに基本となる項目が、こちらの4つです。

 

・サイズ(60cm・75cm・トリプルワイド)
・オールメタルの有無
・グリルの有無
・グリルがある場合)網タイプかプレートタイプか/ヒーター or IH

  

①サイズ

一般的なビルトインIHには、60cmと75cmの2タイプがあります。

キッチンにはめこむサイズは同じですが、天板と呼ばれる上の加熱部分のサイズが異なります。

一般的には60cmを選ばれる方が多いですが、特に大きな鍋を使いたい方や、鍋同士の間隔を空けて使いたい方は75cmを選ぶと良いでしょう。

また、パナソニックのキッチンの場合、トリプルワイドIHの選択肢もありますが、一般的なIHと比較すると、キッチン構成変更とIH自体の定価も考えると、キッチン価格は高くなっていきます。

 

②オールメタル

オールメタルとは、鍋の種類を問わずに加熱ができるIHのことですが、オールメタルIHでも土鍋やガラス鍋などの金属でない鍋は使用不可です。

現在もしくは今後、こだわった鍋で調理したいけど、IHに対応していない!という方におすすめです。

ただ、最近の鍋はおおむねIH対応していますので、特にこだわりがなければ、オールメタルでない機種で十分でしょう。

 

③グリルの有無

グリルを使わない方は、そもそもグリルがないトリプルワイドIHがおすすめです。

昨今は、魚焼き専用のアルミホイールなども販売されていますので、グリルがなくても魚焼きに関しては特に問題ありません。

ただ、個人的には魚はガスで焼いた方が美味しい気はしますが、その後の掃除のめんどくささを考えると微妙なところです。

 

④網タイプかプレートタイプか/ヒーター or IH

まずスタンダードなIHは、網状のグリルになっています。

そして実はラクッキングリルでも2種類あり、下部ヒーターが「IH」か「遠赤ヒーター」かの違いがあります。

「IH」になっているタイプは高級機種ですが、機能の大きな差は調整できる温度帯がIHの方が幅広く、できる調理メニューも多いです。

グリルの掃除がめんどくさい、様々な調理メニューを楽しみたい方は、ラクッキングリルが特におすすめです。

反対にコストを抑えたい方は網タイプを選ぶと、IHのコストを抑えることができます。

  

3.まとめ

最近は光熱費抑制・省エネの観点からも、安全性の観点からもオール電化を選ぶ方がかなり多くなっています。

オール電化で必須アイテムになるIHも、最近は機能が非常に多いですが、基本的なことはこの記事の内容を抑えてもらえれば、選びやすくなるはずです。

今回の記事を参考に、ショールームへ行ってみましょう。

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