さて、太陽光に続いて今度は住宅用の蓄電池についてわかりやすく解説していきます。

蓄電池を入れたらなにがよくなるの?

結構お高いんじゃないの?ちゃんと効果は出るの?

こんな疑問をお持ちの方や、SNSで蓄電池はやめた方がいい、という意見を見た方にご覧いただきたい内容になっています。

まずは、この記事の要点から見ていきましょう。


・住宅用の蓄電池は、災害・停電対策のためのモノだけでなく、高くなっている電気代を節約するのに効果がある!
・太陽光発電だけでも自家消費で年間10万円ぐらいの効果がありますが、蓄電池は太陽光発電のデメリットを補うことができる
・蓄電池の最大の効果は「できるだけ高い単価の電気を買わないための防御策」で、太陽光の自家消費の効果を2〜3倍にできる
・補助金をうまく活用しないと、元を取ることは難しいですが、保証が切れる15年頃にプラスマイナスゼロぐらいまでに持っていける
・今後、電気代が安くなることは相当考えにくく、出費を減らすために必要なアイテム

1.蓄電池を設置する意味とは

画像引用:パナソニック

まず、正直よくわからないモノである住宅用の蓄電池が、どういう役割を果たしているのか?という部分にフォーカスして解説していきます。

1-1.蓄電池は電力会社から電気を買わずに生活するためのモノ

画像引用:スマートソーラー

住宅用蓄電池の大きな役割は、太陽光発電で発電した電気をためて、夜間や雨天時に使うことで、電力会社から電気を買う「量」を減らすことにあります。

蓄電池と聞くと、停電したときに使う緊急時のモノ、というイメージがあるかも知れません。

そのイメージ自体は間違いではありませんが、普段生活をしていて停電することは滅多にありません。

そのため、普段活躍する使い方としては、以下のようになります。

1、太陽光発電の発電した電気をためる

2、日没〜夜にかけて、蓄電池の電気を使って生活する

太陽光発電がないご家庭では、比較的単価が安い深夜電力をためて、昼間に放電するという方法もありますが、昨今は深夜電力ですら高くなってきているため、太陽光発電と組み合わせたほうが効果が高くなります。

1-2.災害時にも活躍

画像引用:パナソニック

そうは言っても、もう1つの使い方である災害時の電源としても有用です。

蓄電池には災害時の運転で大きく2つのタイプがあり、1つが家全体で電気が使えるタイプ(=全負荷タイプ)、もう1つがリビングなどに限定して電気が使えるタイプ(=特定負荷タイプ)の2種類があります。

一見、全負荷タイプのほうが、すべての部屋で電気が使えて便利だと思うでしょうが、停電に気づかず普段通りの生活をしてしまい、蓄電池の電気を急速に使ってしまった、という例もあります。

ご家族ごとの考え方などや、導入費用などによって決めることがいいでしょう。

2.蓄電池を設置する効果とは?

それでは、ここでみなさんが一番気になる、ぶっちゃけ蓄電池は元が取れるの?経済的なメリットはあるの?という部分にお答えしていきましょう。

結論から申し上げると「経済メリットはあります」

2−1.太陽光発電の自家消費の効果は年間で10万円以上!

太陽光発電は発電した電気を、まず冷蔵庫やテレビなど、リアルタイムに使っている家電製品などで消費されます。

家全体で使っている電気をカバーしても、なお余った電気は売電という形で電力会社に電気を逆流させます。

一昔前は、この売電単価が高かったので、1ヶ月でも数万円単位の収入がありましたが、最近はリーズナブルな単価になってしまい、売電をしても効果が薄くなっています。

一方で、電気代が高くなっていることは皆さんも肌感で感じている部分かと思いますが、この太陽光発電で売電していた分を、蓄電池にためて、電気の自給自足することを「自家消費」と言います

この自家消費の効果が見落とされがちで、よく「太陽光発電は元が取れない」と言っている方に共通しているのは、この自家消費の真の効果を知らないことがほとんど

この自家消費の効果は、一般的な太陽光発電5kWで約10万円にもなります(愛知県内での試算)

また、この自家消費の効果は売電単価の買取価格10年に関係なく、太陽光が設置されていれば、ずっと効果としては継続します。

2−2.蓄電池の設置で自家消費の効果が2〜3倍

さて、ここに蓄電池を設置すると、どれぐらいの効果になるのでしょうか?

答えは、10万円の自家消費の効果が2〜3倍に膨れ上がります

太陽光発電で発電した電気の内、自家消費される割合は平均で約30〜35%と言われています。

これは全世帯における平均として、パナソニックなどが算出している数値です。

このときの太陽光発電の容量はおおむね5kWとなっていますが、さらに容量が多ければ自家消費率は下がっていきますが、一旦ココでは一般的な5kWで想定してみましょう。

パナソニックの試算では、5kWhの蓄電池をつけた場合、自家率が35%→50%へアップしています。

金額で表すのであれば、10万円がだいたい15万円ぐらいになった計算です。

さらに蓄電池の容量が増えていくと、ためることができる容量が増えていくため、自家消費の割合も高くなっていきます。

最近、人気が高くなっている10kWhの蓄電池を設置すると、自家消費率は約80%となっており、ほぼ自給自足の状態です。

この場合、自家消費の効果は約30万円近くになり、蓄電池の効果が大きく出ています

3. 蓄電池は元が取れるのか?

そして、最終的にみなさんが気になっている最大のポイントです。

答えは、15年~20年程度で元が取れる可能性が高い、と言い切ってよいでしょう。

それでは、その理由を深堀してみていきましょう。

3-1. 補助金を上手く活用する

蓄電池は23年度時点で、国の補助金の対象になっています。

それは新築でもリフォームでも対象になっており、蓄電池自体の需要も実は高くなってきています。

新築では、「ZEH」の補助金対象、もしくは「こどもエコすまい支援事業」の対象になれば、蓄電池を設置することで補助金が出ます

リフォームでは、「こどもエコすまい支援事業」で補助金が出ます

また碧南市でも太陽光発電やHEMSと同時併設することで、補助金が出ることからオトクに設置が可能です。(市と国の補助金は原則併用することができます)

まずは、こういった補助金を活用して、初期コストを落とすことができますので、実際に高い定価で購入するわけではありません。

3-2. 共働き世帯も、昼間に在宅する世帯もオトク

蓄電池の基本は、昼間に太陽光発電で発電した電気をためて、夜間や雨天時に使うこと。

そのため、共働き世帯だと意味がないんじゃないの?と思う方もいるかも知れませんが、太陽光発電だけの時には、安い単価で自動的に売られてしまっている電気を、蓄電池があることでためることができます。

せっかく発電した電気を16円で売られてしまう分を、蓄電池があることで本来30円~40円で買わないといけなかった電気に充てることができます

11kWhの蓄電池があるとすれば、実質的に使える10kWhを毎日活用すれば、毎日300~400円の節約につながるわけです。

これを1ヶ月にすれば9,000円~12,000円の節約にもなります。

年間で108,000円~144,000円、上手く活用することと、補助金のフォローがあれば初期費用がまだ高額な蓄電池も早くて10年、平均的に考えたとしても15年程度で「元を取ることも可能」です

その家庭に使用電力量によって適切な容量は異なりますが、これは共働き世帯にも、昼間に在宅している家庭でも、節約効果としては同じことが言えます。

4. まとめ

まとめとしては、住宅ローンに組める余裕がもしあれば、太陽光発電と蓄電池は必須のアイテムであると言えます。

今後は、エネルギー価格も世界的に上昇を続けており、電気代やガス代が下がっていくことはかなり考えにくい状況です。

そのため、今ですら相当家計の負担になっている電気代の負担を軽減するため、そして特に夏の時期に増える台風や異常気象への対策として太陽光発電+蓄電池は今度さらに需要があがっていくでしょう。

ダイシンホームでは、分譲住宅への後付け工事や、太陽光発電を実質ゼロ円での設置プランもご用意しています。

気になった方はお気軽にお問い合わせください。

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